研究
地域生態系の保全を大きなテーマとして、里山や都市の緑地など地域の生態系の現状を知り、生物多様性保全やネイチャーポジティブに貢献するため、多様な主体との協働による、シチズンサイエンスといった新たなアプローチで研究を進めています。
菌類の多様性のメカニズムの解明
菌類は森林生態系内で重要な役割を担っています。分解者として物質の循環を促し、共生者として樹木の生育を助けています。また、きのこを作るグループは他の生物の餌資源としても、人間にとっても食材として長く利用されてきた重要な資源の一つです。
菌類は土壌・水中・木材・植物の根などに存在しますが、多くは微小で見つけにくく、そのため分類や分布について十分にわかっていません。形態からの分類には限界があり、DNA配列からの分類も発展途上にあります。
環境DNAを用いて、菌類の多様性と環境の関係を明らかにする研究を行なっています。京都府の京都大学上賀茂試験地や、草津市のパナソニック共存の森など、里地や工場緑地などで、大気に飛翔する菌類の胞子などから種構成の変化を解析します。
里山の再生に向けた超学際研究
里山は人が食糧・燃料など資源を調達するために長年管理してきた二次的な自然環境です。燃料革命以降、急速に里山の利用が減少し、多くの生物が生息地を失いつつあります。
里山の保全は、人が利用して初めて持続可能な形となります。過疎高齢化により担い手が減少しており、都市住民・企業・大学などさまざまな主体の協働が不可欠です。
里山に関係する多様な主体が集い、対等な立場で対話・解決策を検討するプラットフォームの構築。企業・NPO・行政・大学・教育機関など多様な主体間の協働を促す実践研究を石川県などで進めています。
都市の生物多様性
かつては湿地・農地・森林であった場所が都市化し、生物多様性が失われています。21世紀の開発行為においては生物多様性の損失を抑えさらに回復させるネイチャーポジティブが目指されています。
都市にも緑地や河川が生息地として存在しますが、その実態はまだ未解明な部分が多いです。コウモリについても都市での詳細な分布・季節消長・移動はまだ明らかになっていません。
バットディテクターを用いてコウモリの超音波を捉え生息確認。スマホに接続するバットディテクターでシチズンサイエンス調査を実施し、大阪府内で多人数同時調査・長期モニタリングを行っています。
キーワード・設備
共同研究機関
- 京都大学フィールド科学教育研究センター
- パナソニックホールディングス株式会社
- NPO法人能登半島おらっちゃの里山里海
- 陽楽の森